LOVEPAIN③


「水、いるだろ?」


成瀬は買って用意してくれていたのか、
小さなペットボトルの水を私に渡してくれた



私はそれを受け取り、

キャップを外すとすぐにその水を飲み、
薬を体内に流し込んだ



これで、本当に大丈夫なのだろうか?



泣いてしまいたいくらいに、怖い




「別に妬いて言うわけじゃねーけど、
そんな男と別れろよ」


成瀬はそう言うと、
再び車を発進させた




「――そうですね」



どうやったら
別れられるのか……



普通がどんなものかは分からないけど、
須田はきっと普通とは違い、

別れようと思って簡単に別れられる相手ではない




もしそうなったら、須田が私に何をするのか怖い



私だけじゃなく、成瀬にだって




そんな事を考えるのが嫌になって、
そっと目を閉じた





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