ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
*恋のキューピットになりましょう
3日間の文化祭も終わり、やっとゆっくりな土曜日。





今日は野球の練習もなく一日中ゴロゴロしてやろうと決意していたのだが。





黎『夏閃暇?暇だよな。どうせ暇だよな』




「ごめん全然忙しい」




黎『そんなこと言わないで俺に会ってよ』




「お願いしてるのか強制なのかどっち」




黎『ごめんなさい伺っても宜しいですか』




「やだ」




黎『お願い。ホントにお願い』




「何の用?」




黎『...11月何があると思う?』




「は?」





突然神妙な声色になった黎に聞き返すと、次は憤激した声色に変わった。





黎『頭のいいお前にはわからない苦労だろうけどよぉ!おぉ...!!』




「あぁ、テスト?」




黎『お願い教えて』




「3000円」




黎『いくらでも払います』




「冗談真に受けるほど余裕ないんだ」





これからすぐ来るということなので、温かいお茶を用意して俺も勉強用具を準備して構える。





そういえば期末テストもう2週間くらいだな。


黎はいつも赤点ギリギリの微妙に頭の出来が悪い。





というか本当にお金を持ってくる気なのだろうか。


そうだったら余程ピンチなんだな。





余計な人連れて来なければいいんだけど。





例えば沙絃とか架月とか。


その2人くらいか。家来られたら迷惑なの。





暫くしてインターホンが鳴った。





出るとそこには黎だけがいて、良かったと内心ガッツポーズをする。





黎「夏閃すまん。3000円なかったからお菓子で我慢して」





黎が差し出したのはバラエティーに富んだチョコの袋。





「別にいいけどさ、何が分かんないの?」




黎「生物、世界史、国語、その他もろもろ」




「つまり全部ね」





親はいないのでリビングに通して、あらかじめ用意してあったお茶を出す。





黎は心なしか、...いや、明らかに元気がなく、体操座りなんかしてる。


なんか不気味だぁ...何考えてんだろ。




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