それでもいい
すると、
不意に声が聞こえた。
「お前泣いてんのか?」
私は顔をあげた。
「こんな所にいたら轢かれんぞ」
「あっ、ごめんなさ・・・っ」
そうだ、私道路の真ん中でしゃがみ込んでいた。
私の前にいるのは、同じ制服を着た男の子。
長身で、顔がとても整っていた。
「これ、やるよ」
そう言って、差し出してくれたのはスポーツドリンクだった。
「え、これっ」
「やる。何があったのかは聞かねぇけど、頑張れよ。」
とそれだけ言うと、
彼は去って行ってしまった。