放課後の横顔
『…時間』
「ん…?」
『やばいよ、お仕事終わらせなきゃ…』
「あー」
席に座り、藤沢くんの席に置いてある資料と書類を取ると
『え』
「俺だけで終わらせちゃった♪」
まさかの、私
『無意味…私来る必要なかったよね』
「テヘッ」
テヘッじゃないわ!
いやいや、ピースピースじゃないわ!
『まぁ…ありがとう…』
「どういたしましてー」
メガネを外し、背伸びをする藤沢くん
お、お腹、み、見えてますよっ…!
「あ、お礼はキスでいいよ」
『はい!?』
いつもの藤沢くんだ
『そういうセクハラやめてもらえます?』
「えー?ユキホ言葉攻めが好きだろ?」
『こ、言葉攻め…!意味分からないから!』
窓際で私の方を振り向いて
「あはっ すげー顔」
笑う藤沢くん
『あ…』
メガネを外した藤沢くん
笑うと目がくしゃってなる藤沢くん
何でだろう
最近知り合ったはずなのに
胸騒ぎがする
夕日に照らされる藤沢くんの横顔
何を忘れているの?
私は…。
忘れたモノ……
一体どこへ落としてきたの?