君と指切り〜10年の軌跡

「奈都芽ちゃん!」

柊先輩がコンビニから帰ってきた
傘は持ってなくて代わりに持っていたのが
大きな“花火セット"だった。


「これで花火大会、出来るよ」

「だって雨…」


窓の外を見ると
もう傘を挿してる人は
居なかった。


「行こっ!奈都芽ちゃん」


「うん!」



“柊先輩ありがとう"


柊先輩の優しさがとても嬉しかった。

私達はファミレスを出て
今日花火大会が開催される予定だった
海の公園まで来た。

細い脇道を抜けると、そこは海で
大きな波音が響いていた。


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