君の世界からわたしが消えても。

「ミヅキ。わたしは自分が思っていたよりもずっと、ずるかったみたい」


 ごめん、と口に出せば出すほど、どれほどぐらついた決意をしたのかが浮き彫りになる。


 こんなの、全然決意したことにならない。


 したつもりになっていただけ。


 これじゃあわたしは、ただの偽善者だ。


 泣かないって決めても、“カナのためにミヅキになる”と決めても、全然だめ。


 泣かないって決めた日からカナが目覚めるまで、わたしは何度泣きそうになっただろう。


 ミヅキにとんでもないお願いをした誕生日の日、ただ甘えるようにイチにすがって泣いたわたし。


 カナへの想いを許されたかった一心で、泣いてしまったわたし。


 なんて、ずるいんだろう。


 わたしは、誰に許されたかった?


 誰に、許されたいの?

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