【完】クールな君に胸キュン中!




「お前のおかげで助かったのは事実だから、礼を言う。ありがとう」



いきなりの桐谷くんの行動に、イッチーは驚いた表情を見せる。



「でも、ここから先は俺の役目だから」



背中越しに聞こえてくる、桐谷くんの意思強い声。



大きな広い背中から、温もりが伝わってくる。




「桐谷くん、ごめんね……」



「謝らなくていいから」



いまだに体が震えているけど、不謹慎なことに、心臓はドキドキと桐谷くんに反応している。



……甘えたい、なんて欲がでてきちゃって。



あたしは桐谷くんの肩に置いていた手を、スッと首に回した。



「……」



こんなに密着しても何も言ってこないあたりから、桐谷くんはやっぱり優しいんだと思う。




「あとちょっとだから、辛抱してね」




落ち着く声と、乗り心地の良い揺れに、あたしは抗うことも忘れて身を委ねていった――。




< 108 / 453 >

この作品をシェア

pagetop