【完】クールな君に胸キュン中!




それは、初耳のものばかりだった。



確かに桐谷くんはスタイルもいいし、部活をやっていてもおかしくないほど運動神経もいい。



でも、途中でやめたって……なんで?




「気になる? 桐谷のこと」



もったいぶるように、松岡くんはあたしに言う。


気にならないと言えば嘘になる。

けど。



「あたし、桐谷くんのことは全部自分で知りたいので」



それだけははっきりと言える。


他人の力を借りてまで、桐谷くんのことを詮索するつもりはない。



「そう。まぁ、俺も教える気はないけど」



「…………」



「たぶん、桐谷からは絶対に言わないよ。どれだけ待っていても」



待っていたら……でしょ?



なら、あたしから動けばいい。



昨日のピアスのことも、ときおり見せる悲しげな表情も。



桐谷くんのこと全部、知りたいんだって。



< 148 / 453 >

この作品をシェア

pagetop