【完】クールな君に胸キュン中!



「いいの? 奈乃」



「ん?」



放課後、みんなが帰宅していくなかで、舞ちゃんが桐谷くん達の方を見ながらそうたずねる。



「あんたたち、付き合った日からほとんど一緒にいてないじゃない」



……そうなのだ。


舞ちゃんの言う通り、あたし達は球技大会の日からお付き合いしてるんだけど、一緒にいれる時間は確実に減ってる。


でも……。



「大丈夫だよ」



だって、桐谷くんが友達に囲まれて、楽しくバスケできるなら、それ以上にうれしいことはない。



それに、球技大会のあの夢のような出来事が起きただけで奇跡だ。


贅沢なんて言ってられないよ。



そりゃあ本音を言うと、一緒に帰ったりとか恋人らしいことのひとつやふたつしてみたいけど、ここからイッチーたちに囲まれてる桐谷くんを見てるだけでも幸せ。



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