【完】クールな君に胸キュン中!




でも、今桐谷くんとふたりきりにはなれない。


絶対にあたしのボロがでてしまう。



「あたしは、ないです……」


うつむいたまま、逃げるための口実としてそう言った。


「俺がある。昨日の何?あんなんで俺が納得すると思ってんの?」


だけど桐谷くんは、それを許してくれないようだ。


もう場所なんて関係なく、みんながいる教室で話し出す。


……少しだけ、怒気を感じる桐谷くんの声。



当然だ。


あんな自分勝手なことされたら、誰だって怒るに決まってる。


……もういっそ、話しかけるのも面倒なくらい嫌われてしまってもよかったのに……。



「どうしても、納得してもらえませんか?」



「できるわけない。ちゃんと説明して。
なんで?」



「……なんでって……」



「俺は、昨日の言葉、あんたの本心じゃないような気がするんだけど」



「……っ!」



< 370 / 453 >

この作品をシェア

pagetop