【完】クールな君に胸キュン中!

甘えていいよ




【桐谷修也side】




『桐谷くーん!』



声がデカイ。


騒がしい。


そして、図々しい。



それが、彼女……奈乃に対しての第一印象だった。


その印象は、今もたいして変わってない。



だけどまれに、弱い部分があるというのも感じることもあった。



前に、阿部って人のせいで狭い資料室に閉じ込められたとき、彼女はすごく怖がっていた。



過去の話を聞けば、なんとなく理由がわかった。


暗所恐怖症、閉所恐怖症にカミナリのトラウマは、中学の頃の経験のせいだったんだろう。


ホラーの映画も苦手なのも、そこから関連してきているのかもしれない。



それと、ずっと胸の内に引っかかってたわだかまりがようやく彼女の話によって溶けた。



以前、閉じこめられたそのときに、俺は彼女にどうして自分のことを好きなのかと聞いたことがあったんだ。


ずっと疑問に思ってたから。



好きになる要素なんて、冷たくしてる俺には何ひとつないはずなのに。



だけど彼女は笑って答えた。



『でもやっぱり1番は、あたしを見つけてくれたことかなぁ』




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