王子様の声フェチっ! spin-off
「加桜!待って!」
嘘だ、と思いつつ振り返る。そこにはやはり期待した姿があった。
「お見合いって嘘だよね?柑也を励ますための。しないよね?ここにいるよね?」
早口でうるうるした目で言う。荒い息を整えながら私の返事を待っている。
「お父様に今日中に返事しろ、と言われているの。このままここにいても私は居場所なんてないし行くところもないからお見合いすることにしたの。意外と悩んだのよ。結婚することになったら祝福してね。右京?」
私はなんて性格が悪いんだ。仕方、ないと言い聞かせてきて。
嬉しいのに素直になれない。
「行かせない。」
「........は?」
「絶対、行かせないもん!」
もん?......もんって...可愛い。
あまりの可愛さにクスリと笑ってしまう。
「何で笑うんだよ。」
頬を膨らませて拗ねている顔もまた、可愛かった。