庭師とお姫様 (naturally番外編)
人質同然の政略結婚の不安以上に、



「……離れたくない」



彼に会えなくなる悲しさが姫の中では大きく膨らんでいた。



彼に聞こえないようにそっと口の中で呟き、ミリザ姫はギュッと庭師の胸に顔を埋める。



不器用な手つきで背中を撫でてくれる彼を愛しく感じながら、



「ありがとう……おかげで元気が出ました」



顔を上げたミリザ姫は出来る限り自然な笑顔を浮かべて、庭師に笑いかけた。



「良かった……やっぱり貴女は笑顔の方が似合う 」



ようやく彼女らしい笑顔が見られたおかげか、見上げた庭師の表情にもいつもの人懐っこい笑顔が戻っていた。






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