屋上で待ってる





日陰の方から出てきたのは、背の高く、全体的に色素の薄い優しげなオーラの漂う男。



純も、俺も驚いた。




写真部の変わったイケメンと言われる、露村時雨先輩。


なんで、そんな先輩が?



それより、なんで夕のことを知ってるんだ。



「あの、夕とはどういう関係なんです?」



警戒心が声に表れてたかも知れない。

だけど聞かずにはいられなかった。



ふとあった目。


─夏なのに凍りついたように感じた。


優しげなオーラをまとっているはずなのに、その目にはどこか突き放したような冷たさが含まれている。



「俺と夕がどんな関係でも、君には関係無いでしょ?」


は?


「関係ならあります!俺は、」


むきになって言い返そうとした。だけど


「幼馴染み、なんでしょ?聞いてる。」



返されて、口を紡ぐ。



そして、次の言葉に、目を見開く。




「でも。今ここで、戸川は幼馴染みを優先するわけだ。彼女を差し置いて。」










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