屋上で待ってる
え、と思わず振り向くと、そこには学校の有名人である露村時雨先輩が立っていた。
先輩が有名な理由。
1つは、かなりのイケメンで、紳士的であること。
そしてもう1つは、女子に全く関心を持たない変わり者であること。
だから、驚いてしまった。
だって、中原さんのことを"夕"と呼ぶなんて。
何か関係がないと呼べない。
それに、先輩は女子に全く関心を持たないって聞いてるのに。
それは、蓮くんも驚いていたみたい。
そして、こう言った。
「あの、夕とはどういう関係なんです?」
それは、明らかな警戒心で。
私の心が軋む。
それだけ、大切ってことなんだ。
すると先輩は、こちらが凍りつくほどの鋭い視線を寄越してきた。
「俺と夕がどんな関係でも、君には関係無いでしょ?」
…たぶん今、この人はわざと曖昧な表現をした。
女の直感。
でも。
(中原さんの彼氏、だったらいいのに)
心のどこかで、黒い悪魔がそうささやくのを聞いていた。