意気地なしの初恋
でも、待つ必要なんて無かった。
6月20日(金)私は渡部君に放課後中庭に呼び出されていた。
授業が全て終わりワタシは中庭へ急いだ。
放課後になると、中庭は誰も居なくなる。
「有村!」
そこには、渡部君の姿があった。
「ゴメン。遅くなった。」
「ううん。全然大丈夫!」
「あの、用事っていうのは?」
心臓がバクバクいって。手が震えていた。
「唐突なんだけど。」
「俺と付き合ってくんないか?俺、一年の頃からお前ん事好きで、ボールを当てちまったときはほんとに申し訳なく思ってて、入院まで、させちまったのにこんなこと言うのあれだけど…」
私は、この言葉を聞いて嬉しくてしょうがなかった。“両思いだったんだ”って気づいた。
私の答えはもちろん
「私も渡部君の事好き!だから、おねがいします」
こうして、私達の恋は始まった。
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