星の印〜陰陽師其の弍〜



「そういえば、瑠璃は?」



麟が千恵子に尋ねた瞬間、草むらから瑠璃が出てきた。

瑠璃は麟の母が拾ってきた妖の雌猫で、
神楽家に住み着いている。

麟の両親があの夜、妖退治にいった時も一緒に居たらしい。



「麟、お帰り」

「ただいま」

「術は上達した?」



瑠璃に聞かれ、麟は言葉が詰まる。

麟が、いや、まぁ…その…と誤魔化していると、由来が、術に失敗して土手を転がり落ちましたよね。とサラっと言った。


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