恋心コロコロ2~天使さまのいうとおり~
「俺とあいつさ----



 子どものころに会ってるんだ。

 俺には双子の妹がいてさ、

 そいつ生まれた時から心臓に病気持ってたんだ。

 日本に有名な医者がいるって言うので、

 こっちの病院に入院してたんだ。

 その時、

 あいつ、凛花が同室だったんだ。」


「そうだったんですか」


「まあ、いろいろあったんだけど、

 あいつのそのおもちゃバケツもらえる金のシール、

 俺とっちゃったんだよ。

 とっちゃったっていうより、

 うっかり持ち出しちゃったんだけど。


 出来心っていうかなあ。

 嫉妬っていうかなあ。」

 

「どうしてそんなこと?」


「あいつと、安西兼人の写ってる写真。

 写真の裏に張ってあったんだ

 この間までそのシールがどういうものか知らなかったんだけど、

 あいつがこの間言ったんだよ。

『昔当たったことあったけど、失くしちゃったんだ』

 って言ったのを聞いて思い出した。
 
 盗んだのが俺だったこと。

 あいつ、その犯人が俺って未だ知らないでいるんだけど、

 お前のそのバケツ渡して謝りたいんだ。」

二人にはそんな過去があったんだ。

大天使はとてもかわいい人だけど、

比較的地味だし、

もっときれいな人いっぱいいるのに、

彼氏がいる人に

天使がこだわってるのはどうしてなのかなって、

ちょっと不思議だった。

そんな前から、

天使は彼女が好きだったんですね。




 


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