浮気男と俺様男
無言のままだと気まずいし
せっかく隣を歩いているのだから
何か話したいな…
そう思って、私は篤稀くんに問いかける
「……篤稀くんは、
どうしてうちの学校に来たの?」
「特に理由はねぇ」
と即答されてしまって
そっか…としか言いようがなかった
「…………」
再び沈黙が訪れる。
何か他に気になることは…
と考えていると
「これ右?左?」
次は篤稀くんが口を開いたかと思えば
分かれ道になっている場所だったので
私にどっちに行けばいいのかを
尋ねてきただけだった
「あ、こっち…」
そう言って私は右の方を指差す