LOVEPAIN④

「彼女がわざわざうちの事務所を選んだのも、
きっと誰かから俺の事を聞いてたんだろ。

面接の時は、俺に来て欲しいって言われてたし。

だから、彼女は初めからそのつもりなんだよ」



確かに、言われてみると、
たまたまうちの事務所を選んだとは思えない


あそこのAVプロダクションの社長は若くてイケメンだとか、

噂で杉浦さんの耳に入っていたのかもしれない



そんな風に仕事を餌に男に手を出す杉浦さんも杉浦さんだけど、

その企みを分かっててほいほいと乗る、
成瀬も成瀬だと思う




「深夜でも、テレビのドラマの仕事。
それが小さな役でも、とても凄い事なんだよ。


なんとしても、俺は取りたいから!」


そう迷いのない強い口調で言い切られて、
私は首を横に振るだけで言葉が出ない




いくらその仕事の為だとしても、そんなの嫌だ




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