LOVEPAIN④

成瀬が電話に出ない事が、
抑えていた気持ちに歯止めがきかなくなってしまったのか


私は携帯電話を鞄に入れると部屋から出て、
隣の篤の部屋のチャイムを押していた



篤が一時間程前に帰宅しているのは、
廊下に響いた足音や壁を伝う物音で知っていた




「――はい」


そう扉を開けた篤は風呂上がりなのか髪が濡れていて、
Tシャツにスウェットのズボン姿





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