LOVEPAIN④
篤からホテルの名前を聞き出した勢いのまま、
タクシーを捕まえてそのプラチナタワーホテルの前へとやって来た
やって来たのはいいのだけど、
この後、どうしたらいいのかと戸惑ってしまう
タクシーは私をそのホテルの真ん前へと降ろすと走り去り、
取り残されたように私はポツンとそのホテルを眺めてしまう
夜だから、ホテルのガラス扉の向こうの明かりが眩しい
ドアマンのような男性が、
そんな私を少し訝しげにチラチラと見て来ている
その視線に苛立つ私は、今、気が立っているのかもしれない
べつに、ホテルの中に入ったり、
その成瀬達が居る部屋迄乗り込むつもりもないので、
そんな風にジロジロと見ないで欲しい