LOVEPAIN④
「事務所の女の子が、
仕事が欲しくて枕みたいな事してんのも知ってて。
AV女優はこの世界の人間との恋愛が厳禁だって言いながらも、
メーカーのプロデューサーや力のある監督がうちの事務所の子に近付いてるのを知ってても、
俺は知らない振りして止めなかった」
それって、成瀬は仕事に繋がるのならば、
駄目な事を黙認しているって事で……
「俺って、口では偉そうな事言って、すげーつまらない奴なんだよ」
自嘲する成瀬に対して、
何か言葉を掛けようと口を開こうとするが、
何を言えばいいのか分からない
「そんな俺だから、
お前がどれだけAV撮影で傷付いてると知っていようが。
どれだけ俺がお前を好きでも、
こんな仕事を辞めろ、って言えないんだよ」
そう言って、そっと私の頬に手が触れる
その手が温かいからか、涙が浮かんで来てしまう