LOVEPAIN④


「でも、広子ちゃんは、犯人に直接二回会ってるんだよね?

その撮影会の時と、襲われた時?

本当に、心当たりない?」

三咲さんがそう言いたくなるのは、当然だと思う


私がしっかりしてないと




「けど、こいつ撮影会は初めてで一杯一杯だったし、
襲われた時だって、相手は顔を隠してたんだろ?」


そう成瀬は庇ってくれるけど、
頷けなくて俯いてしまう




襲われた時に聞いた、声


聞いた事があるような、気もしてしまう


知っている人のような……




「とりあえず、警察に連絡するか?」



「だ、駄目です!」



私の携帯電話から110番しようとした成瀬を、
必死に止めた





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