LOVEPAIN④


「お疲れさまっす」


篤は私と成瀬に近付いて来ると、
成瀬にだけそう挨拶をする




「おつかれさん」


そう返す成瀬を横目に、
私は何も言わない


挨拶しても、どうせ篤に無視されそうだし




「ファミレスでいいか?」


成瀬は訊ねるように、
私と篤の顔を交互に見ている



篤は逆らう事なく頷き、
私も特に不満はないので同じように頷く





「寿司じゃなくて悪いけど」


嫌味なのかなんなのか、
成瀬にそうぼそりと言われる




「てめぇ!

寿司食いたいとか、
成瀬さんにワガママ言ってたのかよ!!」



先程の車内での私と成瀬の会話を知らない篤にそう凄まれ、

成瀬は私を助けず、
クスクスと笑っている




「いえ。
お寿司は昨日食べたからいいですよ」



「は、なんだてめぇ!

連日、寿司食いたいとか、
何様なんだよ!!」



「だから、昨日食べたからいらない、って言ってるじゃないですか!」



段々と、私も腹が立って来た


今、空腹だから余計に




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