LOVEPAIN④
「――なんだよ。
べつに、こんな女なんか!」
チッ、と思いきり私の顔を見て舌打ちをして、
その男は消えて行く
何故か、その男はナツキじゃなくて私にその怒りをぶつけていて…
ナツキの整った顔を見て、
ぐうの音も出ない彼は私に怒りの矛先を変えたのだろうけど……
「ナツキさん、どうしたんですか?」
もしかして、まだ私に文句が言い足りなくて……とか?
「お前の事だから、
変な男に声掛けられてふらふら付いて行きそうでしょ?
寂しいから、とか正当化して。
この辺り、ナンパとか多いから」
「もしかして、心配してくれたんですか?
でも大丈夫ですよ。
今も断ったし」
少し、付いて行きそうだったけど……
「見てた。
意外だったけど」
「そうですか……」
私って、本当に自他から見て駄目な女なんだろうな……