LOVEPAIN④


「昼、牛丼でいいか?
安くて、早いし」



「はい。
お腹空きましたね」


そう言って笑うと、
成瀬も、おつかれさま、と笑い返してくれた





ふと、あの購入者の中にストーカーが居るかもしれないと、
今朝届いたメールを思い出す



“――今日のデビューイベント頑張って。

僕も行くの、楽しみにしてるから――”




「どうした?
顔色悪いけど」


そう心配そうに、成瀬は私の顔を覗き込んで来た




「いえ!
多分、お腹が空きすぎて」


アハハ、と笑ってごまかす



せっかくの、今のこの達成感を感じて充実した雰囲気を、壊したくない




そうか、と疑われる事なく、
成瀬も笑ってくれた



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