ミステリークローズ
「では、行きましょうか…」



…30分後…



「よっ!」



戻って来た矢田野に対して、高田が声をかけた。



「………………」



矢田野は無視して通りすぎて行った。



「ったく…また無視かよ…」



「あ、そういえば、さっき、なんて言おうとしたんだ?」



矢田野は、思い出したように問いかけた。



「さっき?あぁ…あれか…気にすんな」



「……………………」



矢田野は高田に物凄く近づいて、睨んでいる。



「分かった分かった…言うよ、言うから怒んなよ…」



「………………………………」



矢田野は顔を遠ざけ、頷いた。



「じゃあ、言うぞ。あの時は、『そんなんだからいつまでたっても結婚できねぇんだよ。』って言おうとしてたんだけど……」



最後の方は少し声が小さくなっていた。



「そー言うお前はどうなんだ!答えろ!俺と同じだろ!えー?どうなんだよっ!どうなんだ!簡潔に答えろぉぉぉぉぉぉぉぉ!」



「お、落ち着いて下さい!矢田野さん!」


高野が素早く止めに入った。



「ここは殺人現場ですよ!落ち着いて下さい!」



「ハッ!なんということだ。すまん。取り乱してしまった…」



「よかった~」



「だけど、まだ終わったわけじゃねぇかんな…」



矢田野は手をボキボキとならして高田に言った。
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