ミステリークローズ
やっぱ一番近いとこだな…







しかし、どこにも人がいたという痕跡はなかった…






「ここが最後か…」



これまたキツイ上り坂だな。

ん?なんか置いてあんな…



そこには1つの財布が、大きな岩の間に挟まって置いてあった。



「しっかし、高いな~」


崖から下を見たら30メートルぐらいの高さがあるのが見てとれる。
落ちたら一溜まりもないだろう。
財布が挟まっていた岩もその絶壁の崖のすぐそばにあった。



まずは報告か…



プルルル、プルルル、プルルル…



「あっ、浅田警部補、被害者の物と思われる財布を発見しました。」



「「分かった。どこにいるんだ?」」



「えっと…遺体発見現場の砂浜を右に行って3つ目の崖です。はじっこの…森の手前です。」



「「よく分からんが、今行く。」」



プー、プー、プー、……



連絡も済んだし、財布の中身、見るか…



パカッ



中には現金三万円程度とクレジットカードが2枚。それに免許証が入っていた。



被害者のだな…
名前は…加斗 隼人か…
まわりに携帯はないし、連絡先も分からないな…



プルルル、プルルル、プルルル…



「おっと…」



着信音に驚き、危うく証拠品の財布を落とすところだった。



「はい、八多野。」



「「ああ、八多野君。悪いんだが、その財布、こっちに持ってきてくれんかの…場所が分かんなくてな…あと、そこの写真とか撮ってきて貰っても…」」



「あ、別に結構です。」



「「すまんね~」」



プー、プー、プー、……



はぁ…怠い…



パシャッ、パシャッ、パシャッ、……



まず岩の元のいちに財布を置いて二枚。
崖の下を撮って三枚。
現場全体で五枚。
財布を三枚。

全部で十三枚。



帰るか…
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