Innocent Smile~ずっと一緒に~
「何故って……この状況ですかね?」
「はぁ…状況…?」
「ここに入社したら、俺が社長の息子だってだけで、
大学出たてのド新人に、どうせみんな敬語でゴマするでしょ?
俺、そういうの嫌なんですよ。
他のやつらみたいに普通に働きたい。」
「なるほど……恭哉さんらしい。」
山口さんはそう言うだけで、俺の意見に肯定も否定もしない。
「でもね、恭哉さん、
我が社はこれでも毎年、けっこうな数の入社希望があるんですよ?
人事部の者も、面接が大変だと言ってましたから。」
「そう、…ですか。」
「ですから一度、社内の様子をご自分の目でご覧になってください。
それから、結論を社長に申されてもいいかと思いますよ?」
そう言って、山口さんは通常業務の邪魔にならないよう、
ひっそりと俺を連れて各部署を回り、どういう仕事をしているかをざっくりと説明してくれた。
一気に細かく説明されてもわからないから、
ホントにざっくりとした説明で安心したけど。