Innocent Smile~ずっと一緒に~
「人事の部長を手玉に取って、
社長の息子を、無理やり自分の部署に入れたって聞いたよ。」
「えー、裏から手まわしたの?
それって社長の息子のこと、入社前から目をつけてたってことじゃん。」
「何? あのオバサン、
最初からセクハラする気満々だったんだ。」
「早いもの勝ちーとか思ったんじゃない?」
「セクハラどころか、『逆玉』狙ってたりしてー!」
「マジでそうかも!
結婚できなくて、焦ってるから必死だったりするんだよ。」
「ギャハハ! でも、それウケるー!
年考えろって! 若いの狙いすぎだよー!」
「だよね。社長の息子だって、あんなオバサンと付き合わなくても、
他にも若い女子社員はゴロゴロいるんだし。」
…眩暈がした。
私は知らなくても、彼女たちは私のことを知っていて。
次から次へと、事実と違うことを言い並べられた。
私って、陰でこんなこと言われてたんだ……
でもそれは今の私には『陰口』ではなく、
真正面から耳に入ってしまって、さすがに正直ヘコんだ。