Innocent Smile~ずっと一緒に~
3年くらい前からかなぁ……
会社の子や友達といった私の周りの女の子が次々に結婚していったラッシュの時、実家に帰るたびにお母さんは私に結婚の話を振ってきた。
それからは私の顔を見るたびに、結婚!結婚!って……
もう、いい加減にしてほしい。
「母さん、いいじゃないか、その話は。
別に焦って結婚しなくたって。」
毎回何かしらのフォローをくれるのはお父さんだ。
でも、それを聞いたお母さんの表情はあからさまに不機嫌色に染まる。
「焦るわよ! お父さん、佐那子はいくつだと思ってるの?!」
ヒステリックなお母さんの口調に、お父さんが苦笑いを浮かべる。
「お父さんは佐那子を嫁に出したくないの?」
「いやぁ……そういうわけじゃないけど……
佐那子が仕事が好きなら、やらせてやればいいじゃないか。」
「そんなこと言ってたら、本人だっていつまで経っても、結婚する気にならないでしょう?!」