Innocent Smile~ずっと一緒に~

実家に帰ると、お母さんが目を丸くして出迎えた。

そりゃそうだろうね。

お正月にさえ寄り付かない娘が、お盆に引き続き、
間隔をあけずに帰ってくるなんて、それこそ雪でも降りそうだもんね。


「佐那子、何しに来たの?!」


いくらなんでも、娘にその言葉は酷いと思う。


「ちょっと報告があるのよ。…お父さんは?」

「あ…あぁ、今呼んでくる。」


お母さんがお父さんを部屋に呼びに行ってくれて、
リビングに三人、顔を揃えた。


「何か報告があるんだって? いい話か?」


お父さんの何気ない口調で会話が始まる。

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