Innocent Smile~ずっと一緒に~

さほど自分では意識していなかったけど、
私は世間で言うところの『美人』の部類らしい。

そういえば昔、モデル事務所の人にスカウトされたことがあったっけ…。


そんな取り得を持っていた私は、就職試験も苦労することは無かった。

面接官はオヤジたちばかり。


『美人』と称される私は、受付にしろ、どこの部署にしろ、
何かと需要があったのだろう。

内定をいくつかもらえた。


私より、もっと就活を頑張っている子はたくさんいて、
それでも当時は内定をなかなかもらえない子もいたのに。


世の中は、最初から不公平にできてると、
この頃の私は、どこかそれを冷めた目で見ていた。


私は内定を貰ったうちの、ひとつの企業に就職を決めた。


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