タカラモノ~桜色の片道切符~
「お待たせ」
「ありがとう。お金」
「奢り。チケットは美桜の鑑賞券だろ?」
「いただきます」
入場開始のアナウンスと共に、歩き出した
暗くなった場内で、隣に座る理央くんの顔を見上げてみた。
今日の映画は『桜トンネルの向こう』
彼が初めて会ったときに好きだといってくれた作品。
でも、もし、もし理央くんが航大くんならこの作品をどう見るんだろう?
彼との恋愛を想像して書いた作品を。
「中々良かった。原作の雰囲気は守られていたし」
「やっぱり恥ずかしい」
出てくる人たちの感想も聞こえてくる。今日のお客さんたちの評判は上々のようだ。
「何食べたい?」
99分の上映時間を終えるとお昼には少し遅い時間になっていた
「お任せします」
「じゃ、こっち。さっぱりした物の方が良いんだろ?」
「……うん」
左側に理央くん。手を繋がれ、大通りから少し外れて歩いていく。
コンパスの差を埋めるようにゆっくりと歩調を合わせて歩いてくれている
「ありがとう。お金」
「奢り。チケットは美桜の鑑賞券だろ?」
「いただきます」
入場開始のアナウンスと共に、歩き出した
暗くなった場内で、隣に座る理央くんの顔を見上げてみた。
今日の映画は『桜トンネルの向こう』
彼が初めて会ったときに好きだといってくれた作品。
でも、もし、もし理央くんが航大くんならこの作品をどう見るんだろう?
彼との恋愛を想像して書いた作品を。
「中々良かった。原作の雰囲気は守られていたし」
「やっぱり恥ずかしい」
出てくる人たちの感想も聞こえてくる。今日のお客さんたちの評判は上々のようだ。
「何食べたい?」
99分の上映時間を終えるとお昼には少し遅い時間になっていた
「お任せします」
「じゃ、こっち。さっぱりした物の方が良いんだろ?」
「……うん」
左側に理央くん。手を繋がれ、大通りから少し外れて歩いていく。
コンパスの差を埋めるようにゆっくりと歩調を合わせて歩いてくれている