タカラモノ~桜色の片道切符~
「じゃ、包帯替えたら点滴しようね。3本あるから寝ていいよ。昨日と同じで痛み止めと化膿止めそれに脱水症状防止に1本ね」



言いながらも大地は手際よく消毒をし、包帯を替えると左腕に点滴用の針を刺した



「この部屋もう誰も来ないから安心して」


点滴を調整し、氷枕を美桜の頭の下に入れると大地は優しく語りかけた



ホッと息を吐いて目を閉じた美桜から視線を外すと、理央を見た



「ちょっとこっち」



カーテンをあけ、待合スペースにあるソファーに腰を下ろした。


まだ午後の診療時間が始まっていないため人気はない




「何か食べられた?」



「いえ。帰ったらスープを食べさせてみますが、明け方は水飲むのも辛そうでしたから食べられるかどうか」



「今のところ脱水症状の心配はないから、続けて意識的に水分は補給させて。食事から摂れない分多めに」



心配そうな理央とは正反対に大地は顔色一つ変えない



「うちの診療時間6時までだから、明日からはそれ以降に来てくれていいよ」



「……はい」



「まだ時間掛かるし、外出て切り替えて来い」



軽く理央の背中を叩くと大地は処置室へと戻っていった



< 89 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop