レンタルボーイ



「志乃ちゃん」



彼はあたしの名前を呼んで、頭にぽんっててをおく。



唐突すぎて体温がぐっと高まる。



きっと今、林檎みたいに顔が真っ赤になってる…。




うつむきかげんになると、彼はあたしの顔を除きこむ。



「大丈夫?」



もうどきどきが止まらない。



こんなの演技、演技だってわかってるけどあたしに向けられたものだと思うとすごく嬉しい。



どうしよう…こんなのいいのかな。



「志乃ちゃん?」



「あっ…だ、大丈夫です…」



彼はふふっとくしゃっと笑った。



うわあ…かっこいい。どうしよう。こんなの、演技なの、にレンタルボーイなのに。





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