レンタルボーイ




「聖くんとか、好きに呼んでいいからね?期限は1週間しかないんだから」



そうだった、この偽りの恋の期限は1週間。



1週間であたしの中で、あたしのまわりで何かが変わるはず。



なんだかそんな気がして。



「聖…くん…」



ひとりでそう呟いてなんだか恥ずかしくなる。



カップル同士のなかならあたりまえ、ごく普通なんだろうなって、だけどあたしにとってはすごく特別な呼び方。



「…合格」



彼はそういって、くしゃっとふんわり笑って見せた。



あぁ…これが恋人同士なのかな。



胸が高まる。これから1週間、あたしはどんなあたしになって、どう変わっていくのか楽しみだった。



まるで今までモノクロだった景色がどんどん色づくみたいに変わっていくような気がした。









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