Snow&Cherry

第七章

「おはよー。」


教室に入ると、やはり異様な空気に包まれていた。
多田の机の上には、花が入っている花瓶が置いてある。


「これ………何の花?」


不謹慎かもしれないが、昨日あれだけ花の話をしたもんだから、ついつい気になってしまう。



「これはヒメリンゴだよ。明日香の誕生花にしてみたの。」


佐倉は、神妙な面持ちでそう言った。そして、「可愛いよね。」と笑った。


「ヒメリンゴの花言葉って、なんなんだ?」


オレがそう言うと、佐倉は「忘れちゃった」と言った。
でも、誕生花は知ってるのに、花言葉は分からないなんて事、あるのか?と不思議に思い、スマホでちゃちゃっと検索する。


「ヒメリンゴの花言葉は……。」




誘惑。
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