誰かのために
『ただいま。』

『キャハハハ!!』

美姫の大袈裟な笑い声が響く。背筋に虫ずが走る。

急いで自分の部屋に入って扉をしめた。

お腹すいたなぁ…。もう12時かぁ。家に帰って2時間がすぎてる。
きっと、もうリビングには誰もいないだろう。

ドアを開けた。その瞬間、声がした。

『ちょっと、紗姫。こんな時間までなにやってるの??今日習い事も無いのに9時にかえってきて。
近所にばれたら恥ずかしいじゃないの。』

無視した。だいたいママは近所の顔とかしか気にしていない。

なんで遅くなったとか、気にしていないだろう。

そして、怒ることによって仕事のうっぷんでもはらしているのだろう。
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