あたしこそが最愛最高の姫である
蒼side*
イライラする。
……………ここ何週間か、ずっとこの雰囲気。
和矢と玄武はもちろん失恋のキズとやらは癒えてなくて。
最近は時雨も、好きな女が全然振り向いてくれず落ち込み気味。
煌までも何かを良く考え込むようになってしまった。
「……まともなヤツいねえとか俺つらっ」
そんなことをブツブツと呟いてしまう。
でもこんな異常な空気の中でも空気を読めない姫さんは。
「……もうちょっと明るく過ごそうよ?」
微笑みながら首をかしげている。
しかし誰も反応しない。
……すると、姫さんはしばらくは笑顔を保つがだんだんと頬はヒクヒクと痙攣している。
最近はずっと姫さんは俺らの傍にはいるものの、殆どいない空気同然の扱いをされている。
あれだけ姫さんにべったりに見えた煌も、距離を取り始めている。
…………何でこんなことになったんだか。
「「「「はぁ………」」」」
ため息が、重なった。