あたしこそが最愛最高の姫である





姫が先頭に立ち、その横に生徒会長、その後ろに三人が並んで立っている。









「………………は?」







玄武が驚きのあまり固まったのが分かった。







そして実桜を見ると、明らかに動揺している。







「な、なんで……」









「ちょーっと、そこの女に話が合って。無理矢理だけど、押しかけちゃった」









フッと、生徒会の姫は妖艶な笑みを見せる。







隣りの会長がキレたのが分かった。







「おい、男に笑いかけんな」







そう言って姫の肩を抱く。







でもそれを姫は笑顔で叩き落とした。






「今いいとこなんだから、ぶち壊さないで」








「チッ」







……………何だ、一体。







和矢と蒼はまだ寝ていて、時雨はただ様子を伺っている。






未だ玄武は唖然としていた。








「………あぁ、そうだ。総長さん、そこの女……ちゃんと躾してる?」








「……は?」







いきなりのことで戸惑う。






……実桜が何かしたのか?








「……知らないんだ?そこの女、すんごい迷惑なの。二度も生徒会に押しかけてきてさ?」








思わず実桜に視線を向けてしまう。






そんな実桜は……ただ、姫を睨んでいた。









「……実桜、どういうことだ?」








俺ら騎王と生徒会の仲の悪さは全校生徒が知っている。








まず、生徒会が俺らに喧嘩売ってきたこともあるし。







それに校則なんて気にもしていない、下手すりゃ法律を犯している族と、校内を取り締まる生徒会。







対立するのは当たり前のことだと思う。








バイクの事や、族の下っ端の素行や髪形や服装、その他もろもろ良く注意を受けている。







で、まさか俺ら幹部にさえ喧嘩を売るようにいちいち突っかかって来る。








……実桜もいくら転校してきたからと言って、生徒会との不仲説ぐらい知っているはずなのに。








「……実桜、生徒会の方が良かった?」








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