あたしこそが最愛最高の姫である
本当鬱陶しく感じる。
そもそも名前を呼ばれる筋合いはない。気持ち悪い。
あたしがこの男たちに抱いた感情は嫌悪感以外の何者でもない。
「み、美玲…?」
後ろのある男がポツリとあたしの名前を口にした。
「………何であたしの名前を知ってるの何で呼ぶの?玲の知り合い?」
あたしに纏わりつくいくつかの視線がさらに不快感を手繰り寄せて、顔をしかめた。
この部屋にはシーンとした空気が流れている。
……何。何で。
あたしは何も分からないし、知らない。
疑問しか、浮かんでこない。
「……蓮。こいつ、記憶喪失だ。中二までの記憶しかない」
玲が話しかけたことにより、男の視線はやっとあたしから外れ玲に向けられた。
それに少しだけ息を吐くと、見慣れない人たちがいることに神経を使っているのか疲労感が押し寄せてきた。
男たちの存在を考えないことにして、そっとベッドに寝転がる。
__________いきなり高校生だなんて言われて。
あたしには記憶がないと言われて。
まるで漫画の中の出来事だ。
そんなの、自分の中で処理できるわけない。
ただあたしは玲が全てだから別に記憶なんてなくても大丈夫。
そう自分に言い聞かせる。
この世界がどこかパラレルワールドのようなものに感じられ、そっと目を閉じた。雑音がうるさくて、耳を塞いだ。