【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
なあ、誰に怯えてるの?
誰を思い出してる?
俺じゃ駄目なの?
「……俺の事、嫌い?」
俺の事が嫌いっていうなら諦めてあげても良いけど、そうじゃないなら無理だよ。
そんな簡単に諦められるような半端な想いじゃないんだ。
恵梨の事を真っ直ぐ見つめてそう聞かば、ふるふると左右に首を振る恵梨。
──よかった、嫌われてない。
そんな安堵感と共に、ならどうして、という疑問。
「じゃあなんで無理なの?」
とめどなく溢れてくる恵梨の涙を指で掬うように拭う。