【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
──なのに。
「渓斗君とはお付き合い……出来ない……っ」
返ってきたのはそんな言葉で。
なんで?
どうして?
俺が告白した時、一瞬その頬を染めたのに。
だけどその瞳はすぐに恐怖に、怯えに染まった。
まるで俺を通して、他の誰かを見てるように──彼女は怯えていた。
でも、そんなんじゃ。
「……納得いかない」
逃げ出そうとした恵梨の手をぎゅ、と掴んで引き止める。
納得いかないだろ。
拒絶されるなら分かるけど、怯えられるなんて。せめて理由が知りたい。