別れたオトコと会う時は
『ハナちゃん、並ぼう。』


同僚に急かされわたしは我に返る。


アイツに笑顔を返さぬまま、わたしは列の最後尾に同僚と並んだ。







『ハナちゃん、じゃん!』


受付を済ませ、同僚達と上司に挨拶をしている時、声をかけられた。


かつての同期で、仲が良かった男だった。


『松田…くん?』


『ハナちゃん、相変わらず可愛いね。』


『可愛いって…もうオバサンだよ。』


『大丈夫!オバサンには見えないから。』


わたしは懐かしい松田くんのジョークにリラックスして、笑顔を見せた。




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