ビターな彼氏の甘い誘惑

「あらぁ。
 利理ちゃん じゃない?」

「・・・お疲れ様です。」

一応にっこり笑顔を添えての挨拶。

でも、
その笑顔も、お姉さま方には
気に入らなかったみたい。

「ふぅーん。
 皆川さんとのお食事はどうだったの?」

「えぇ?
 やっだぁ。ランチの件ですかぁ??」

わざと、明るい声で言ってみる。
だって、
ただ単に昨日、ランチに行こうと外に出たら
声をかけられただけ。

見られてたんだ。


「香川君とかも
 よくランチに行くし、
 遊んでる子は大変ねぇ?」

「営業の新人君にも誘われていたじゃない?」

うーーん。
なんだか終わりそうもない。
香川は同期だし。
営業の津川くんは断ったし。


とりあえず、笑顔で乗り切っちゃお。


「そうですねぇ。あははっ。

 じゃ、
 しつれいしまーーすっ。」

足早にトイレを後にする。


誰もいないのを確認してから、
はーーっと
ため息を吐き出した。


< 19 / 200 >

この作品をシェア

pagetop