ビターな彼氏の甘い誘惑


***



え?
「・・・兄?」


結局、誤解が解けたのは、
翌日の朝。


朝っていうか昼。




「そうですよぉ。
 ちゃんと、ちゃんと話を聞いてって
 いったのにっ・・・」

ぐす、ぐす。と
鼻をすすりながら
ぐいーっとシーツを手繰り寄せて
頭からかぶって 利理が隠れる。


「あー・・・
 なんか、ごめん。」

グイっとシーツを引っ張って
利理を抱き寄せる。

「だって、
 あんな 酔っぱらってかわいい利理が
 知らない男とふれあってたんだ。
 そりゃぁ、嫉妬もするだろ?

 まぁ、兄って知らなかったってのもあるけど・・・」

「だから、私は何度も「あれは違います。和馬兄です」って・・・」

あぁ、言ってた。
だって、「カズマニ」がまさか、「和馬兄」だったなんて。
兄、かよ。そーゆー名前の元彼かと思ったし。
親しそうにスキンシップしてたから。

そんな 理性をブッ飛ばしているときに
頭働かないなぁ。

「ごめん、な?
 ひどくして。」
「いや、ひどい・・・っていうか、
 その・・・」


そのあと、すっごく恥ずかしそうに

痛かったですけど・・・気持ちよかったです。


って 言われた俺が
理性をブッ飛ばすのは 悪くないと思う。


とりあえず、抱きしめた。



きっと、
今日より明日、幸せだろう。

なんて浮かれたことを考えながら。




★おしまい★




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