君の全てが欲しいんだ



「そろそろ…いいかな。」



まるで、―――――。


お伺いを立てるかのように、未来くんは申し訳なさそうに私の腰に手を回す。



「いっ…!!」



やめて、―――――。



内腿を、這うように動く、舌先。



足の間から見えた、未来くんの甘ったるい瞳。



「……っ!!」



ぞくぞくと背中を這い上がる、身体中を襲う快感の波。



きた、―――――!!



湧き上がる快感に、歯を食いしばろうとした瞬間、――――。



「いっ!!!」



鋭い痛みが、下半身を、突き破った。



それからはもう、―――。



あまり、記憶がない。



「…まじで…?」



何度も与えられる快感に啼かされて、私の理性は脆くも崩れ去ってしまった。



「…有紗、…これ…。」



真白なシーツが、赤く染まっていた。



嬉しそうな、ちょっぴり泣きそうな未来くんの表情が、視界から消えていく。



「なんだ…そうなの……?」



今はただ、――――。



「愛してる。」



深く、奥へと沈んでいく身体を受け止めながら、私は意識を手放した。
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