シーソーゲーム
澁は駐輪場の横の少し開いた空間を指差した。そこに止めろと言っているのだろうか。
俺はそのとおりに自転車を置き、俺を見ていた澁を見た。置いたと確認するや否や、澁は透明の自動扉の向こうへと消えていった。
早足で追いつくと、アズサのマンションと同じように、セキュリティが完備されていた。そして自動扉が開き、エレベーターに乗り込んだ。澁は最上階を押した。いつになっても慣れない。他の人と一緒に乗るのは異性問わず慣れないものだ。息苦しいエレベーターを降りると、澁は無言で歩き出した。一番奥の部屋だった。カギがかかっていなかったのか、そのままドアを開いた。やはり無言で一人勝手に上がっていった。
俺は試しにここで待ってみればどう澁が反応するかが知りたかったが、上がったと思っていた澁は親切にもドアを押さえていてくれていた。さすがに俺もそんな意地悪なことは出来なかった。
結構きれいに片付けられていた。アズサの家以上にきれいだった。置いてあるものが何もないといっても過言ではない。生活に必要なソファーにテーブル、カーテンぐらいしかなかったのだ。新聞やゴミなんかはない。
「座って…」
言われたとおりにソファーに座った。かなり高級なのか、お尻がはまってしまうようだった。
高級感溢れているのに、なんだか簡素な家だな。
それは前に来たことがあるような不思議な感覚が前触れもなく訪れた。それとも昔、想像に描いていたものがたまたま一致してしまったのか。しかしそれは思い出せなかった。
澁はキッチンから出てきて、適当なものをお盆に乗せてやってきた。
「それで、何話すんだ?」
これがまず話の原点であるが、俺は本題に感じられた。下手したら話題づくりだけで終わってしまうかもしれないからだ。
「…なんでもいい。リョウの知りたいことなら…」
何を言っているのだろうか。こいつは俺にとっての全知全能の神なのだろうか。それとも酔狂な発言か。
俺はそのとおりに自転車を置き、俺を見ていた澁を見た。置いたと確認するや否や、澁は透明の自動扉の向こうへと消えていった。
早足で追いつくと、アズサのマンションと同じように、セキュリティが完備されていた。そして自動扉が開き、エレベーターに乗り込んだ。澁は最上階を押した。いつになっても慣れない。他の人と一緒に乗るのは異性問わず慣れないものだ。息苦しいエレベーターを降りると、澁は無言で歩き出した。一番奥の部屋だった。カギがかかっていなかったのか、そのままドアを開いた。やはり無言で一人勝手に上がっていった。
俺は試しにここで待ってみればどう澁が反応するかが知りたかったが、上がったと思っていた澁は親切にもドアを押さえていてくれていた。さすがに俺もそんな意地悪なことは出来なかった。
結構きれいに片付けられていた。アズサの家以上にきれいだった。置いてあるものが何もないといっても過言ではない。生活に必要なソファーにテーブル、カーテンぐらいしかなかったのだ。新聞やゴミなんかはない。
「座って…」
言われたとおりにソファーに座った。かなり高級なのか、お尻がはまってしまうようだった。
高級感溢れているのに、なんだか簡素な家だな。
それは前に来たことがあるような不思議な感覚が前触れもなく訪れた。それとも昔、想像に描いていたものがたまたま一致してしまったのか。しかしそれは思い出せなかった。
澁はキッチンから出てきて、適当なものをお盆に乗せてやってきた。
「それで、何話すんだ?」
これがまず話の原点であるが、俺は本題に感じられた。下手したら話題づくりだけで終わってしまうかもしれないからだ。
「…なんでもいい。リョウの知りたいことなら…」
何を言っているのだろうか。こいつは俺にとっての全知全能の神なのだろうか。それとも酔狂な発言か。